緑内障勉強会

平成29年10月31日(火)19時~緑内障の最近の治療法、そして手術、薬物療法の位置づけについての勉強会がありました。慶應義塾大学眼科学 助教 芝 大介先生、笹原 正行先生 のご講演で、芝先生は レーザー繊維柱帯形成術(SLT)の論文,
研究で勉強させていただいている先生です。緑内障治療において、薬剤の多剤併用を要する際はレーザー治療や、観血的(血が出る、つまり切開を伴う)な手術の選択肢を考えざるを得ません。緑内障治療は少し前までは 繊維柱帯切除術、繊維柱帯切開術が主流でしたが、最近では、属のようなものを目の横の部分に入れたり、また、合併症リスクの少ない低侵襲緑内障手術(MIGS:Minimally Invasive Glaucoma Surgery)が普及しつつあり、特にSLTに関しては、点眼が多剤試用になる可能性が高い場合、早期から取り込んでしまってもよい、というお話はとても勉強になりました。手術に関してもいろいろな方法が最近はあり、治療に関しても、時期状態をみてまた、将来もみて方針を決めていかないといけないと思いました。また、明日からの診療に生かしていこうと思います。

第11回Midland Seminar of Ophthalmology 学術講演会

2017年10月21日(土)第11回Midland Seminar of Ophthalmology 学術講演会が開催されました。今回のこの講演会は名古屋大学、名古屋市立大学、藤田保健衛生大学、愛知医科大学、浜松医科大学、岐阜大学が一同に集まって開かれる学術講演会でした。東海圏の大学が集まって開催されるもので、もう11回目となります。
とても勉強になる講演会で、演題が4つあり、順天堂医学部 静岡病院眼科教授 太田俊彦先生による「IOL位置異常眼の対処法」、井上眼科医院 天野史郎先生による「抗緑内障点眼薬のオキュラーサーフェスへの影響」、四谷しらと眼科院長、東京医科大学兼任教授 白土 城照先生による「緑内障手術~その背景にあるもの~」、岡山大学教授 白神 史雄先生による「網膜疾患:検査所見からこれは何?」 でした。 太田先生は眼内レンズ強膜固定術の術式を確立した第一人者です。以前は、白内障の代替医療機器である、眼内レンズが目の中でずれてしまったり、眼内レンズを収めた嚢が支えている筋肉が弱くなることで眼内レンズが目の奥に落ちてしまったりという場合、レンズを取り出して、そして、眼内レンズを目の脇に縫い付ける(眼内レンズ縫着術)が主流でしたが、太田先生は、眼内レンズの足の部分を目の強膜に埋めて固定する手術の術式を確立しました。以前より、学会や、学術講演会でご発表なされ、また、太田先生の講演会により、手術をする術者が広く施行されるようになりました。今回は、実際の症例での困った症例、また、術中のコツなどを学ばせていただきました。天野史郎先生は抗緑内障薬については、緑内障の治療に絶対必要な眼圧の降下薬についての角膜に対する影響についての研究講演でした。また、興味深いことに、円錐角膜を疑わせる角膜所見があった場合、一般的には円錐角膜は30歳~35歳で進行は停止することが多いといわれていますが、ある抗緑内障薬を点眼すると再度進行する可能性があるという興味深い研究発表でした。また、緑内障手術の検証について白土先生のご講演がありました。この5年間で様々な緑内障の手術加療の道具、術式の選択が出てきました。しかしながら、眼圧の規程としては、シュレム管、線維柱帯の外側が50%関与しているということ、そして、日本人に一番多い緑内障のタイプは正常眼圧緑内障であること、を考えるとまだまだ改良、発展の余地があるとのことでした。白神先生は網膜疾患で多用されるOCTと眼底所見よりどんな疾患なのか?という問題形式のご講演でした。クイズのようで楽しかったです。また、疾患のみでなく、治療にも言及され、とても面白かったです。学会とは異なる講演会で、時間的にも、内容的にも大変勉強になりました。
 また、 明日からの診療に生かしていこうと思います。

第5回 TOKAI OPHTHALMIC ACADEMY 東海眼科学術会

遅くなりましたが、8月20日(日)に第5回TOKAI OPHTHALMIC ACADEMY が開催されました。夏の日曜というのに、大変多くの先生方がご参加されておられました。朝から夕方まで4題目あり、金沢大学准教授 小林顕先生による 角結膜疾患の治療によるワンポイントアドバイス、新潟大学教授 福地健郎先生による 緑内障治療に関わる諸問題、愛知淑徳大学教授 柏井聡先生による 急性視神経炎の診断と治療アップデート、 京都大学教授 辻川 明孝先生による 症例で学ぶ網膜循環疾患の病態と治療戦略 でした。蒼々たる先生の最新の治療そして研究のお話は大変勉強になりました。大学病院勤務より出ると、学術、そして研究と考察より離れてしまいがちですが、こういった学術講演会がありますと大変勉強になりますし、日々の臨床の中での考察がいかに大事かを気づかされます。今後とも勉強そして考察をしていきたいと思います。

iPS 理化学研究所

7月1日 「網膜色素変性症の治療」というタイトルで、iPSの治療の舵取りをしておいでの理化学研究所の高橋政代先生の講演会がありました。(午前診を早めに終了し参加して参りました。ご迷惑をお掛け致しました。)眼科医といっても、今、iPSの治療はどこまで進んでいるのか、そして、今後は?網膜色素変性症に対しての視力向上見込みはどこまでいっているのか、などの情報は特にだれからも通達されるわけではありません。(iPSにかぎったことでもありませんが)
こういった機会がないとなかなか知り得ないので、今まで、ニュースに話題になるiPS細胞について患者様よりお問い合わせいただいた際、答えに詰まってしまうこともあり、知りたい、聞きたいという思いでいっぱいにして講演会を拝聴して参りました。
網膜色素変性症の治療に関しては、むこう10年で大学病院クラスでの治療ができるようになる可能性が、そして、一般地中病院まで広がるには、20年掛かるが、人工網膜、iPS技術を使用した治療が受けられるようになるだろうとのことでした。そして、何より、高橋先生ご自身も初めはびっくりされたようですが、IT技術、AI(人工知能)技術の発展がめざましく、そして、特に医療技術の応用としては、視機能障害へのサポートが一番親和性が高いそうです。(現に、今後出てくる未来の身体サポート機器の展示会の2/3が視覚サポート機器であったそうです。)なので、そういったデバイスが視覚障害を抱えても、その技術により不自由さを感じにくくなる可能性も出てくる!とのことでした。
また、日本では高橋政代先生初め、いろいろな方が法整備をしていただいたお陰で、気軽に何のエビデンスもない治療ができません。しかし、法整備のない海外では、網膜色素変性症の方に治療目的にES細胞を目の中に注射したら失明したという報告がされているように、再生医療を語る様々な何のエビデンス(研究成果がなされ、きちんとしたプロトコルにそって、結果が出ているもの)もない治療が世界中で横行し、学会誌でも報告されているそうです。(特にこのような結果になった治療も、現地では闇商売としてしているわけではないです。海外では、法律がないので、効くかもしれませんからやりましょう!といってしているだけです。日本は、きちんとした証拠が出ている治療しかできません)そして、それは何百万というお金を払わされてされている、と高橋先生は嘆いておられました。

現在、高橋先生、名古屋大学前教授の三宅養三先生、そして、私も視覚障害者補装具判定医師の資格を取らせていただく際、お世話になりました国立リハビリテーションセンターの仲泊先生が理化学研究所に移られて、ご一緒に、医療と今まで生活、就労などのサポートが離れがちだったのを、一緒にできる運動( I see アイ シー 運動:i see 運動 )そして、その一環として、それができるセンターを神戸に立ち上げておられます。神戸のアイセンターというところです。ご参加しておられた患者様たちはご家族の方々と行こうか!行こう行こうというお声も聞かれました。是非、私自身も対象となる方に今後の診療でご案内をさせていただこうと思います。
最後に、高橋先生からご案内がございました。
アイセンターには、土地賃借料として、月に3000万円 掛るそうです。(こういったものは、事業者である小生には、よくわかります。)もちろん企業の協賛を頂いておりますが、賛助やご寄付も本当にありがたいので、よろしくお願いします。とのことでした。(ふるさと納税からもアイセンターへの寄付ができるそうです。)HP:はこちら
I see 運動については→ こちら

ここには講演内容のすべてを書き切れませんが、今回の講演内容を踏まえて、今後もより、確からしい医療を皆様にご提供できますよう明日からの診療に生かしていきたいと思います。

2017年7月3日 | カテゴリー : 学会研究会 | 投稿者 : 上社眼科院長

弱視斜視学会 2017年6月16~17日Japanese Association of Strabismus and Amblyopia / Pediatric Ophthalmology

第73回日本弱視斜視学会総会・第42回日本小児眼科学会総会(合同学会)に出席させていただきました。新しい立体視の検査や、間欠性外斜視(たまに目が外に向いてしまったり、普通通りに真っ直ぐ向いたり)の訓練や、治療、そして臨床経過の統計データなどの発表があり、そして、アトピー性皮膚炎と目の疾患(小児眼科)という講義もあり、大変勉強になりました。
アレルギー治療の最近のトピックは、皮膚科でも眼科でもプロアクティブ治療といわれるものが主流となってきています。とくに、アトピー性皮膚炎を合併した春季カタル(アメリカではこのようなカテゴライズではないようですが)は特に推奨され、斜視、弱視、アレルギーなど大変勉強になりました。今後の診療に生かしていこうと思います。

2017年6月17日 | カテゴリー : 学会研究会 | 投稿者 : 上社眼科院長

ロービジョン学会

5月21日岐阜県でロービジョン学会が開催されました。20日が診療でしたので、21日のみの参加となりました。を以前、視覚障碍者の方の補装具を選定する選定医師の研修会に東京所沢市にある国立リハビリテーションセンターで3日間の研修を受けさせていただいた時から、末期の緑内障の方、また、若くして視野が悪く成る方に対して、自分が医師としてどのようにかかわれるのか、また、情報提供をどのような形で出来るのか、という事を感じてきました。今回は、見えなくなった方へどのような情報提供ができるのかのみでなく、視野が狭くなったり、視力が低下した方へどのように就業支援ができるのか、そして医師としての私のみの力だけでなく、同じ疾患、境遇の方々との交流をとおして、人生をどのように形成していくのかを考えること、場を得ることをご紹介したいという想いで学んで参りました。自分が描いていた人生がどうにもならない、あらがえないもので変革を迫られたとき、思い描いていた人生では得られなかった出会い、活動と出会うことができると前向きになれるように、情報提供していきたいと思います。

2017年5月23日 | カテゴリー : 学会研究会 | 投稿者 : 上社眼科院長