6/16,17 日本小児眼科、斜視、弱視学会 参加してきました!
(ポスター発表は現地に行かないとみられません)
6月16日、17日を休診し、学会参加して参りました!
今回は、小児の未熟児網膜症の治療とその後の経過観察、最近では、スマホやDS等での内斜視が多いので、その解剖学的な特徴とその後の治療結果等の他施設研究(全国のいろいろな病院が集まってした研究)の結果報告、内斜視、外斜視の治療戦略、最近トピックのサギングアイの見た目や、手術加療等のお話、最後に子どもの目の中の病気をいち早く1歳未満で見つけた方がよい病気等の勉強会がありました。2022年11月にガイドラインが新しくなった病気もありましたので、そのアップデート講義でした。
今年から、コロナの対応が終了したということもあり、ライブ配信と現地開催でしたので、どうしても休診にせざるをえませんでしたが、休診するという(勇気いるのです、、)ご迷惑をおかけする事を差し引いても、学んだ瞬間から、診療の為になることが学べました。
今回、すごく興味深かった講義は、ヒューストン大学からご来訪いただきました、チノ先生のご講演でした。
チノ先生は人間と猿だけがもつ、両眼視機能が、脳のV1領域(第1視覚皮質)とV2領域(第2視覚皮質)が発達のどの段階で不均等が起こると、両眼視機能(両目で見る力)が育たないのか。(つまり生後しばらくして目を開けるようになり、まもなく両目でみる神経が発達する)を研究された先生です。生後まもなく、弱視なると、神経レベルで数が増えない等の生後数ヶ月からの介入を動物実験の結果を踏まえてお示しされておられました。
また、今回、私がお世話になっております中京病院 横山吉美先生が、乳児内斜視の治療の時期による将来の立体視の獲得性についてご講演され、これからの確からしい治療に結びつくものでした。
私が現在、クリニック診療+勉強をしに伺っている中京病院でお世話になっている矢ヶ崎悌二先生はじめ、横山吉美部長はじめ先生方、が学ばれている、まさに、私が一番大切にしている、自分だけの印象や、自分だけの経験より、何より、科学に基づく医療を学ばせていただいている事をとても実感いたしました。
私が治療した患者様が治るかどうか、どうなるかは、すべて患者さんが教えてくれます。結果が必ず伴うということです。その経験と、そして科学的な根拠と考察が、次の患者様にご提供するより確からしい治療に結びつくと思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
末筆ですが、私の医師としての想いを踏まえた学会で感じたことを載せさせていただきます。
私は、 医療は科学であり、私たち医師は、感情や、印象や、経験で語ってはいけない。必ず、データに基づく理論的な考えをするべきである。そして、その結果をまとめて、未来の治療に役立つように検証し、貢献するのが、真の医療人である。という信念の元に、私は常に人生をかけて医療に向き合っています。
今回の学会のような場所では、その信念をもって研究、発表されておられる先生方とふれあうことで、また、その先生から発信されたアップデートした情報を携えて、また、患者さんに向き合うことができます。
この作業に終わりはなく、この科学的な検証というものは私の人生が終わったとしても、科学が存在する限り、続くことでしょう。その一つの科学的な実践に、私の人生が一部でも関わりを持てることに。そして、その同じ志を持つ先生方と、こういう場所で触れあえ、実際にお話をして、全国津々浦々でご活躍の先生達と想いを共有し、医療という事を通じて、患者さんに向き合えることが、人生の歓びだと今回の学会では感じることができました。