筋肉トレーニング と サルコペニアとフレイルの関係
「フレイル」と「サルコペニア」は、ともに高齢者の健康に関する状態を表す言葉です。
「サルコペニア」とは、加齢によって筋肉量が減少し、筋力が低下する状態を指します。
一方、「フレイル」とは、加齢に伴い身体の予備能力が低下し、ストレスに対する回復力が低下した状態を指します。
フレイルの人はサルコペニアを合併することも多く、サルコペニアがフレイルの引き金にもなりかねません。
サルコペニアになりやすい人は、低栄養や活動不足などの要因がある場合があります。サルコペニアに対する適切なケアとして、たんぱく質を十分に摂取することや、日常的に運動することが大切です。
参考資料⇒: 健康長寿ネット – 長寿科学振興財団
日常的に運動するということはどういうことでしょうか?
筋肉トレーニングと老化に関する研究は多数あります。以下にいくつかの論文を紹介します123:
- 「Resistance training is associated with lower levels of C-reactive protein and leisure time activity in older adults」1
- 「Resistance training and sarcopenia」2
- 「Resistance training and older adults’ beliefs about psychological benefits: the importance of self-efficacy and social interaction」3
これらの論文は、筋肉トレーニングが高齢者の健康に及ぼす影響について調査しています。123。
特に、筋肉トレーニングが炎症マーカーであるC反応性タンパク質のレベルを下げることが示されています1。
また、筋肉トレーニングが筋肉量の減少を遅らせることが示されています2。
さらに、筋肉トレーニングが高齢者の自己効力感や社会的交流に対する信念を向上させることが示されています3。
以上の論文は、筋肉トレーニングが高齢者の健康に及ぼす様々な影響を調査しており、興味深い結果が得られています。
筋肉は、鍛えないと、徐々に徐々に生活強度が下がるにつれて、自動的になくなってしまいます。
昔は畑仕事が筋肉トレーニングの役割を担っていましたが、畑仕事をしなくなった現代社会では、もともと、筋肉トレーニングがなかった時代を生きた方々が必要とされている時代で、困惑する、またはなじみがなくて、なにをしたらよいかわからない、ご高齢の方々が多いのかなあ、と感じることが日常診療で多いです。
そういった方に取り組まれている方々の1人と知り合うことができましたので、一案として、インスタの方にあげてありますので、ご覧いただけたら幸いです。
また、わかってはいるけれど、毎日がしんどいんだよね、と気力がわかないご高齢の方。
そういう場合は、一度医学の力で、漢方などのお助けを借りて、一時的に元気になって、そして、そのときに今後の元気を作るために取り組んでいただくというのも、一つの手です。
そういった事に対して、診療時に漢方を処方したり(場合によっては、病気?の事もあり、専門医に紹介もあります。)自費ですが、ビタミン注射等もしておりますので、お気軽にご相談ください。
これを読んだ時、そして、今、が一番若いとき!です。一緒に二人三脚で頑張りましょう。